基本構想

目指す1千万円住宅のイメージ

・居心地がいいこと
・住い手の多用なニーズに対応できる柔軟性を持っていること
・大断面木造構法によるガッチリとした構造体
・長い間使われていく間の、住まい手の生活形態の変化に対応できる間取り、構造
・断熱、換気など基本的な住環境については妥協せず高水準を保つ
・給排水、電気設備などの保守が容易であること
・メンテナンスのため将来に亘って部材、施工職人の調達が可能であること
・地球環境に優しいこと

ローコストへの取り組み方

私は以前、注文住宅を中心業務とする工務店に勤務しておりました。
そこでは設計から現場経験、営業まで幅広く経験させていただきました。
約8年間、積算部門の責任者としての経験もさせていただきました。
自社設計による建物と、設計事務所による建物と半々位の件数をこなしておりました。
多いときには月に25件の積算、見積りをこなしたこともありました。
その時に工事費の成り立ちの不可思議さを体感しました。
工事費とは生き物のようなものです。
内的、外的な様々な要因により、同じ内容の図面で見積りをしても大きな差が生まれます。
その要因を列記するならば
@設計図
A時期
B地域性
C資材調達先
D施工依頼先
E施工計画
F経費の掛かり方
etc
といった具合に様々な要素が有機的に関連し合い、工事費の見積額が決定されます。
同じ内容の設計図で見積をしても、建設会社により10〜20%もの見積額の差が出ることは、ざらにあります。
この、要素を理解しコントロールすることがローコストの建物をつくる基本的な取り組み方となります。
中でも一番重要になる要素は @設計図 です。
この中にはどんな工法で、どのような家を造るかが含まれます。
それを考えていく過程ではA〜Fの要素との関連を熟慮しながら進めていく必要があります。
「過去のローコストの例」に挙げた建物では、建材メーカーの既製品部材を多用する手法を採りました。
既製部材は市場に出回っている量も多く、メーカー同士の競争原理も働き安く入手することが可能です。
構造材は基本的な強度が得られる程度の、最低ランクのものを使い、プラスターボードをパタパタ張って、クロスで仕上げました。
結果として深みのない造りとなっているように思います。
また、このような方向での取り組み方は、多くの会社が行なっています。
出来れば手造り的な感覚の、深みのある家を目指したいと思います。